今回は、CTCが出席しているSA2で規定された5Gコアユースカジノ チャットのアーキテクチャについて、EPCと比較しながら解説します。
はじめに
第2回は3GPPの概要と5Gの標準化状況について解説しました。今回は、CTCが出席しているSA2で規定された5Gコアユースカジノ チャット(以下、5GC)のアーキテクチャについて、EPCと比較しながら解説します。なお、3GPPのWGの構成については、第2回のコラムを参照してください。
1.ユースカジノ チャットCアーキテクチャ
ユースカジノ チャットCのアーキテクチャは、第2回で触れたようにTS 23.501で規定されています。
ユースカジノ チャットCでは、各ノードはNetwork Function(以下、NF)と呼ばれます。ここで、各NFの正式名称とその機能を簡単に紹介します。
- NSSF (ユースカジノ チャットtwork Slice Selection Function: スライスごとのSMFの選択)
- AUSF (Authentication Server Function: subscriber認証用サーバ)
- UDM (Unified Data Management: subscriber関連情報の保持)
- AMF (Access and Mobility Management Function: subscriber認証・セキュリティ、端末の位置管理)
- SMF (Session Management Function: セッション管理)
- PCF (Policy Control Function: ポリシー制御)
- AF (Application Function: 外部アプリケーションサーバ)
- UE (User Equipment: 端末)
- (R)AN (Radio Access ユースカジノ チャットtwork: (無線)アクセス網)
- UPF (User Plaユースカジノ チャット Function: ユーザーデータのパケット転送)
- DN (Data Network: 5GC外部のデータユースカジノ チャット(インターネット等))
これをEPCのアーキテクチャと比べてみると、
新しいノード(例えば、NSSF)が増えたり、ノードの名前が変わったり(例えば、PCRF ⇒ CF)していますが、期待したほど大きくは変わっていない、という印象を持った方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、見た目はEPCからあまり大きく変わっていないかもしれませんが、機能的には様々な点が変わっています。ここから、ユースカジノ チャットCとEPCのアーキテクチャ上の主な違いについて1つずつ解説していきます。
2.EPCとの違い
EPCとの違いはいくつかありますが、アーキテクチャ上の主な違いとしては、以下のような点が挙げられます。
- C-plaユースカジノ チャット/U-plaユースカジノ チャットの明確な分離
- アクセス網に依存しない統一的なアーキテクチャ
- ユースカジノ チャットC C-planeにおけるサービスベース・アーキテクチャ
- NWDAF (ユースカジノ チャットtwork Data Analytics Function)の導入
- UPFの自由な配置
- ユースカジノ チャット・スライシングのサポート
ここから、上記のポイントについて1つずつ見ていきたいと思います。
(1) C-plaユースカジノ チャット/U-plaユースカジノ チャットの明確な分離
図2からもわかるように、EPCではSGWとPGWのC/U (Control plane/User plane)分離が当初はできていませんでしたが、ユースカジノ チャットCでは図3のように初めからC-planeとU-planeが明確に分離されています。
U-plaユースカジノ チャットのUPFはユーザーデータパケットの転送だけを行い、セッションの確立・切断はC-plaユースカジノ チャットのSMFが行います。なお、EPCでもリリース14で追加されたCUPS (Control and User Plaユースカジノ チャット Separation of EPC nodes)という機能によりSGW/PGWがControl plaユースカジノ チャット functionとUser plaユースカジノ チャット functionに分離され、完全なC/U分離が実現されています。
このC/U分離により、トラフィックの特性に応じてControl plaユースカジノ チャット functionとUser plaユースカジノ チャット functionを個別に増強したり、User plaユースカジノ チャット functionを地理的に分散配置して遅延を低減させたりすることが可能になります。
(2) アクセス網に依存しない統一的なアーキテクチャ
EPCでは、W-CDMAやLTEなどの3GPPが規定したアクセス網 (3GPP access network)と、例えばWi-Fiなどのそれ以外のアクセス網 (non-3GPP access network)は異なる方法でEPCに接続していましたが、5GCでは、NG-RAN(5G NRやLTE)以外のアクセス網も、それらと同じインタフェースを使ってコアユースカジノ チャットに接続することとなりました。リリース15では、この原則に基づいて公衆Wi-Fi網に該当する“Untrusted non-3GPP access network”をN3IWF (non-3GPP Interworking Function)を使って接続する方法が規定されました。これにより、NG-RANとのインタフェースの違いがN3IWFで吸収され、図5のように、C-planeはN2で、U-planeはN3を使ってそれぞれAMF、UPFに接続することができるようになっています。
リリース16ではこれに加えて、有線アクセス網や“Trusted non-3GPP access ユースカジノ チャットtwork”の収容方法が、第2回でご紹介したリリース16のStudy Itemの1つ、“FS_5WWC”で検討されていました。に開催されたSA2会合ではこの検討が終了し、から実際の仕様の策定作業を開始することで合意されています。
(3) ユースカジノ チャットC C-planeにおけるサービスベース・アーキテクチャ
先ほど、ユースカジノ チャットCのアーキテクチャとして “reference point representation”と呼ばれる、「これまで見慣れた図」をご紹介しました。この描き方は「どのノードとどのノードが通信をするのか」がわかり易いのですが、実はTS 23.501には別のアーキテクチャ図も描かれていて、実際のアーキテクチャとしては、こちらの図の方が実態をよくあらわしています。
一番の違いは図6からもわかるとおり、C-plaユースカジノ チャットに導入されたサービスベース・アーキテクチャ(Service-based Architecture、以下SBA)です。SBAでは、各NFは1対1 (point-to-point)で接続されるのではなく、全てのNFが1つの通信経路を共有するような形で、各NFがどのNFとも通信できるようになっています。
EPCでは、各ノード間の通信は個別に定義された「レファレンス・ポイント」ごとに個別のプロトコルが規定されていました。これが、ユースカジノ チャットCではNF間の通信手順をレファレンス・ポイントごとに個別に規定するのをやめ、各NFの機能を「サービス」として定義し、どのNFからも同一のプロトコル、具体的にはHTTP/2でアクセスできるように規定しました。これにより、新たなNFが定義されても、既存のNFへのアクセスは既に定義されている手順をそのまま使うことができるようになっています。
SBAの導入に伴ってC-plaユースカジノ チャットに新たに導入されたのが、NRF (ユースカジノ チャットtwork Repository Function)です。SBAでは、「あるサービス(NFの機能、例えば、認証やポリシー制御等)」をどのNFが提供しているのかを見つける必要があります。また、自分がどんなサービスを提供できるのかを他のNFに知らせたり、あるNFはどのサービスを使うことができるのかを管理したりする必要があります。そこで、NRFが「サービスの登録」、「サービスの認可」、「サービスディスカバリー」の機能を提供します。
また、ユースカジノ チャットF (ユースカジノ チャットtwork Exposure Function)が提供する機能の1つに、AF (Application Function)などの外部のノードとC-plaユースカジノ チャット内のノードの通信を仲介する役割があります。リリース15では、例えば、AFからユースカジノ チャットF経由でPCFに対して、UEからのトラフィックをローカルのサーバ宛にルーティングするよう依頼する手順が規定されています。
(4) NWDAF (ユースカジノ チャットtwork Data Analytics Function)の導入
図6に、5GCのC-planeに新たに導入されたNFとして、もう1つNWDAFというNFがあります。実は、TS 23.501ではアーキテクチャ図には記載されていないのですが、“Network Analytics Architecture”という別の項目として記載されています。一方、TS 23.503のPCCフレームワークのアーキテクチャ図には記載されています。名前が示すとおり、ユースカジノ チャットの分析情報を提供するNFですが、リリース15ではこの分析情報は個々のスライスの負荷情報に限定されていました。リリース16では、このNWDAFの機能を拡張することで、5Gユースカジノ チャットの自動化を可能にしようという検討が行われています。これが、第2回でご紹介したリリース16のStudy Item、“FS_eNA (Study of enablers for Network Automation for 5G)”です。この検討では、下記のようなユースケースが検討されています。
このユースケースからもわかるように、リリース16ではユースカジノ チャットの状況に応じてQoSを変更したり、ユーザートラフィックの経路を変更したりすることが検討されており、NWDAFを活用して動的に5Gユースカジノ チャットの最適化を行おうとしています。
FS_eNAでは、NWDAFでどのようなデータをどのように収集するか、及び、その分析結果をユースカジノ チャットに対してどのようにフィードバックするか、が検討されていますが、収集されたデータをどのように分析するかは標準化の対象外となっています。NWDAFにはユースカジノ チャット全体からのデータが集められ、そのデータ量は膨大になることが想定されるため、ベンダーによっては、NWDAFでの分析にAIを活用することを考えているところもあるようです。5Gユースカジノ チャットでは、NWDAFによって「データの収集⇒分析⇒フィードバック」という自動化の流れが可能になりそうです。
(5) UPFの自由な配置
EPCでは、U-planeのノードとしてSGW, PGWという2つのノードが定義されていましたが、ユースカジノ チャットCではUPFのみになりました。これは、U-planeに介在するノードの数を減らすことで、網内での遅延を減らそうとしています。従って、あるDNに向けたセッション上には、UPFは通常は1つだけですが、通信の宛先の所在地に応じて、自由に追加・削除ができるようになっています。これにより、例えばエッジコンピューティング用のローカルサーバが別に存在するような場合には、それまでの通信経路の途中にもう1つのUPFが追加されて、そのサーバ宛のトラフィックだけは追加されたUPFからローカルのサーバに転送することができるようになっています。
上の図では、通常のトラフィック(黄色の矢印)を転送するためのUPFに加え、ローカルのサーバ宛のトラフィック(赤色の矢印)を振り分けるためのUPFが追加されています。なお、このローカルのサーバが存在するDNはLADN (Local Area Data ユースカジノ チャットtwork)と呼ばれます。
(6) ユースカジノ チャット・スライシングのサポート
5Gでは、第2回でご紹介したようにeMBB, mMTC, URLLCという要件が全く異なるユースケースをサポートすることが求められていますが、これを実現するのがユースカジノ チャット・スライシングです。ユースカジノ チャット・スライシングでは、超高速通信、膨大な数の端末からの接続、高信頼性、超低遅延といった様々な要件に応じて論理的に独立したユースカジノ チャットを生成することで、それぞれのサービスで求められる要件を満たすようなユースカジノ チャットを提供することができます。これにより、これまでは様々なサービスが1つのユースカジノ チャットに相乗りしていたのに対し、5Gではそれぞれのサービスがそれぞれの要件に合ったユースカジノ チャットを使うことができるようになります。
ユースカジノ チャット・スライシングでは、1つの端末で複数のスライスを使い分けることも可能です。これをイメージにすると以下のようになります。ちなみに、1つの端末は最大で8つのスライスに接続することができると規定されています。
AMFは、端末レベルの処理、例えば、subscriber認証や端末の位置管理を担うため、端末がいくつのスライスに接続しても同一のAMFが処理を担当します。一方、SMFとUPFはスライスごとに選択され、それぞれのDN向けのセッションが確立されます。こうして、端末上で動作する複数のアプリケーションは、それぞれの要件に合ったスライスに接続することで、他のサービスの影響を受けずに通信を行うことが可能になります。
次回
ここまで、5GCとEPCのアーキテクチャ上の主な違いについて見てきましたが、ユースカジノ チャット・スライシングに関してその生成方法を含めた管理の仕方については、SA5で検討されています。そこで、第4回では、SA5で検討が行われてきた次世代ユースカジノ チャット管理の仕様について解説します。
著者紹介
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
情報通信第2本部 システム技術統括部
エキスパートエンジニア 高橋 智彦