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技術仕様の標準化にかかわるようになった背景

鈴木 茂哉

すずき しげや

慶應義塾大学大学院
政策メディア研究科
特任教授

ユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームシステム研究者およびエンジニア。コンピュータネットワーク、コンピュータを用いた通信、ブロックチェーン技術、サイバーセキュリティ、量子ユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームシステム、および、RFIDを含む実空間ユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームシステムの研究に従事。システムアーキテクチャ、ソフトウェア開発についてのエキスパート。1989年よりインターネットに基づくユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームシステム開発に従事。慶應義塾大学SFC研究所データ・アーキテクチャラボ副代表、WIDEプロジェクト運営委員。内閣官房デジタル市場競争本部「Trusted Web推進協議会」に参画し、最先端のトラストなどを研究する。

Trusted Web推進協議会をはじめとした各種団体/プロジェクトの委員を務めている鈴木茂哉氏（以降、鈴木氏）が、今後、「データ連携」での「トラスト」や標準化に関して、どのように考えているのか伺った。

鈴木氏が標準化について関与するようになったのは1990年代初頭にさかのぼる。当時はまだ現在のインターネットがインターネットとは呼ばれる前の時代、鈴木氏は自身で立ち上げたソフトウェア会社を経営しており、コンピュータのネットワークに興味を持つようになる。それまでソフトウェア開発の経験を積んではいたものの広域ネットワークについての経験は浅く、当時インターネットのプロジェクトを開始した有識者であり、現在も慶應義塾で一緒に働いている村井（純）教授に相談した。その結果、WIDE Project（https://www.wide.ad.jp/）に参加するユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームになりネットワークの分野に本格的に関与するユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームとなる。なお、そのWIDE Projectでの研究がきっかけとなり鈴木氏自身も2005年以降にアカデミアに身を投じるユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームとなる。

ネットワーク分野ではプロトコルを合わせないと、インターオペラビリティ（相互運用性^※1）がないため、どうしてもプロトコルや標準化について敏感にならざるを得ない。WIDE Projectの活動の中で標準化にかかわるようになったのは自然なユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームだったのかもしれない。

その後、鈴木氏はWIDE Projectで各種委員や役員を務めるようになり、アカデミアへ転身後は慶應義塾大学がW3C（World Wide Web Consortium。https://w3.org）のスタッフを務めていたユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームもあり、分散型識別子（Decentralized Identifiers：DID）^※2について仕様策定を行うワーキンググループへ参加、アーキテクチャ検討を通じて標準化へ関与してきた。（図1参照）

ユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲーム「データ連携」において「トラスト」が必須となる

2050年は、今から25年後だが、「データ連携」や「取引」において「トラスト」抜きには考えられない時代がくるはずだ。現在、データ連携や取引を行う際に相手や取引に関連するデータについて信頼（トラスト）できる状態は必ずしも達成されているとは言えない。ユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲーム未来は、国際間を含むデータ連携、例えば企業同士や個人と企業間のデータの連携や取引において、「トラスト」できる状態が達成されていることが必須になってくるだろう。

国際的にシームレスなデータ連携を実現するためには段階的なアプローチが必要となる。まずは国内での相互運用に向けた取り組みを行い、次は国家間（インターナショナル）のデータ連携を考える。つまり、いきなり国際（グローバル）連携のための標準を考える前に、まずは国内の小規模なグループから標準化を進め、その上で国家間・国際と範囲を広げていくというアプローチだ。インターネットは現在グローバルに展開されているが、発展の過程においては同じように段階を踏んできている。現在のデジタルアイデンティティやトラストを考えると、グローバルの前の国家間連携の段階に進もうとしているが、実はこの段階を乗り越えるユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームのハードルが一番高く、関係者が協力して取り組むべき時期に差し掛かってきているのかもしれない。

トラストを考える上で今の私たちのユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームのやり取りについて考えてみることは重要だ。私たちがユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームのやり取りをするとき、本来ならばユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームを受け取る際に「ユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームを送信してくる相手の確認」が必要である。見も知らぬ人からモノを受け取らないのと同じである。また、ユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームを送信する際も「ユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームを受信する相手の確認」が必要だ。信頼できない相手にユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームを渡すことには漏洩や悪用のリスクがあるからだ。

私たちは相手が「実際にはどのような人（組織）なのか」について無頓着であることも多い。例えば、私たちはしばしば住所、氏名、年齢、電話番号（いわゆる基本4ユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲーム）をあちこちで「相手を知らない状態で」提示している。しかし一方で、健康診断の結果のような「機微（きび）」なユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームの提示を求められる場合はどうだろうか。先ほどの「住所、氏名、年齢、電話番号」の開示と比べると私たちは慎重になり、一部の注意深い人たちはそれらのユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームを相手に渡すことによって起きるサイドエフェクト（副作用）を、総合的に判断した上で相手に提示するかどうかを判断していると思う。同じく、ユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームの種別（機微度合い）に加えて相手との関係性についても判断を行う上で重要な要素となりうる。例えば、金券ショップに行って金券を売る場合は古物に関する法律に従い、個人ユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームを提供する必要があるが、初めて行ったショップで相手がどういう人かわからない状態で、個人ユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームを渡すのは警戒感を感じる。例えば、個人ユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームを記入したことでダイレクトメールが大量に飛んでくる、といったサイドエフェクトが発生してしまうのではないか、と一定の警戒するべきだ。

このように本来、私たちは感覚的ではあるがユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームの質や相手との関係性などに応じて繊細に判断をしているのだ。この際に相手が誰であり、どのような人（組織）かを確認することが、デジタル技術によって容易かつ自然に実現されている世界の実現が急がれる。

今後のデジタル空間において相手が「誰か」、そして「どういう人か」というユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームが一定以上必要になってくるだろう。一つの取り組みとしては、オリジネーター・プロファイル（図2。https://originator-profile.org/ja-JP/）が良い例なので簡単に紹介する。この取り組みは新聞社や放送局などで構成される偽ユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲーム・誤ユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームに対する対策を目指すプロジェクトであり、配信される記事や広告のオリジネーター（コンテンツ作成者）を閲覧者が確認し、不適切なメディアへの掲載を防止するための仕組みを作っている。根底となるのは、閲覧者から見た相手であるコンテンツ作成者の確認や、コンテンツ作成者から見た相手である掲載先メディアの確認をデジタル技術によって容易に実現できるようにすること、つまり「相手の確認」である。このプロジェクトでは、第三者認証を含め信頼の起点を複数持つことを含め実現するためのアーキテクチャを検討、実装を行っている。

「トラスト」普及のために必要な技術の進歩は、どのように進んで行くか

技術革新がどのように進むかを考えるのは非常に難しい。単純に新技術が生まれれば世界が変わるわけではなく、革新には至らない。その過程においてはガバナンスについても同時に考えていくことが非常に重要であり、ガバナンスを成立させるために必要なメカニズムについて技術を含めてデザインすることが非常に重要だと考える。特に相互運用性を考えると、「データのやり取り」についてのプロトコルデザインに加えて、その周囲にあるルールやガバナンスをどのようにデザインするかが非常に大切な要素となる。例えば、「データ連携」をする時に、「土管をどうつなぐか」というプロトコルデザインに加えて、実はその「土管の中をどういうユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲーム」が、「どういう形でやり取りするのか」というルールをデザインする必要がある。これらのルールやガバナンスのデザインをどのくらいの粒度の領域（業界）の単位で決定するかは問題領域にもよるが、現在の日本の工業分類（ユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームサービス産業、運輸業など）よりも少し細かい粒度になるかもしれない。現在、それらの問題領域においては、それぞれの「ことば」で話しているが、それらを国内・国家間・国際と順序だてて上手に合意を取っていく必要がある。これは非常に難易度が高い作業だが、うまく進めるためにも技術の進歩と歩調を合わせていくことが大切であり、今後の課題となるだろう。

IT技術者や企業が標準化に対して、どのように取り組んでいくべきか

IT技術者や企業は国際的な相互運用やそこに向けた技術仕様の標準化に対してどのように取り組んでいくべきなのだろうか。通常のビジネスメリットを考えると一旦は誰かが先進的な技術開発を行い、その結果を利用して日々の業務への適用を行っていく、いわば受け身の形をとるユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームが多い。ただ、自社でサービス提供や製品開発を行っている企業であれば標準策定に関与するユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームで自社の開発した技術を広く世界へ広げていくための道筋を作るユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームができるかもしれない。しかしながら、どうしても投資額は非常に大きいものとなるので、日々のビジネスとのバランスを見極める必要がある。

他方で、標準化策定の過程を経験するユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームはそれ自体に様々な学びもあるのも事実である。標準化文書の作成過程でどのような議論が行われているのかについて技術者が体感し学ぶユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームには大きな価値がある。標準化の過程における議論に参加するユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲーム、特に国際的な場での議論を行うユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームは技術者のトレーニングとしては非常に有用であり、そのような経験を持ったエンジニアは非常に強力なプレイヤーとなるユースカジノ 入金不要ボーナス 禁止ゲームができるだろう。

企業や組織は中長期的な目線に立ち、それらのメリットとコストのバランスをよく考え日々の事業活動を進めていくべきだろう。