著:クロスファンクショングループ プロダクトマーケティング室
インフラソリューション推進部 菅 博
データ保護は見過ごされがちな技術ですが、現代では最も注力されなければならない分野です。サーバやネットワーク機器が壊れたとしても、サーバやネットワークは単に演算処理やデータの出し入れをするための中間装置であり、別なものですぐに代替することで事が済みます。しかし、データが無くなった場合には、システムそのものが意味のないものとなり、元通りに戻すことはもはや不可能です。
サービスを24H/365D継続するためには、基盤装置を二重化してクラスタリングするだけでなく、データ消失が発生しない仕組みが必須です。また、万が一データが無くなったとしても、迅速にデータをリストア・リカバリするための仕組みが必要となってきます。ここでは、データ保護の仕組みである「ユースカジノ 出金できないID技術」、「バックアップ」、「災害対策」の三つの分野について解説します。
1. ユースカジノ 出金できないID 技術
以前「HDDの構造」で説明したように、HDD自体の耐久性は決して高いわけではありません。このためユースカジノ 出金できないID(Redundant Arユースカジノ 出金できないys of Inexpensive Disks)の技術が開発され、今ではかなり安価なストレージでも当たり前のように実装されています。
RAIDは複数のユースカジノ 出金できないを束ねてひとつの論理的なユースカジノ 出金できないを作り出す技術ですが、次のようなメリットがあります。
- 信頼性の向上
- アクセス速度の向上
- ユースカジノ 出金できないの大容量化
RAIDは複数のユースカジノ 出金できないを論理的にひとつに見せることによって、あるユースカジノ 出金できないが故障しても論理的なユースカジノ 出金できないとしてはデータを消失することなく可動する構造を持っています。また、一台のユースカジノ 出金できないでは速度と容量に限界がありますが、複数のユースカジノ 出金できないを束ねて同時に可動させることで、論理的に高速で大容量なユースカジノ 出金できないを作り出すことができます。
RAIDはどこで実装するかにより「ハードウェアRAID」と「ソフトウェアRAID」に分類されます。ハードウェアRAIDはストレージ筐体が物理ユースカジノ 出金できないを束ねてサーバOSにひとつのSCSIユースカジノ 出金できないとして提供するもので、ソフトウェアRAIDはサーバOSが認識している複数のSCSIユースカジノ 出金できないをサーバ自身が束ねてひとつのユースカジノ 出金できないとして扱います。RAIDの処理は負荷が高いために、ソフトウェアRAIDの場合にはサーバ本体に負荷がかかりアプリケーションへの影響が懸念されるので、ハードウェアRAIDを採用するケースが多いようです。
ユースカジノ 出金できないIDは実装方法によりいくつかのレベルに別れていますが、代表的なものの仕組みを説明しておきます。図はハードウェアユースカジノ 出金できないIDを念頭においていますが、ソフトウェアユースカジノ 出金できないIDの場合はサーバOS上のミドルウェアがユースカジノ 出金できないID Ctrlの役割を果たすだけで動作原理は同じです。
2. ユースカジノ 出金できないID-0(ストライピング)
複数のユースカジノ 出金できないに対して並列にI/Oを行うことで高速化を図っています。サーバから見た場合には、D1からD4までの4台のユースカジノ 出金できないは1つのSCSIユースカジノ 出金できないとして認識され、そのときの容量はストライプされる物理ユースカジノ 出金できないの数に比例します。サーバの書き込みはブロック分割されて各ユースカジノ 出金できないに並列に書き込まれます。読み出しの場合はこの逆で、各ユースカジノ 出金できないから平行してブロックを読み出して連結させてからサーバに返します。なお、RAID-0の場合にはどこかのユースカジノ 出金できないが障害を起こした時点でデータは全て失われるため、今ではほとんど使用されることがありません。
3. ユースカジノ 出金できないID-1(ミラーリング)
サーバから見た場合に、D1とD2のユースカジノ 出金できないが1つのSCSIユースカジノ 出金できないとして認識され、そのときの容量は物理ユースカジノ 出金できない一台分になります。サーバの書き込みはブロック分割されて、全く同じブロックがD1とD2の双方に書き込まれます。読み出しの方法はストレージによって異なっており、常に一方のユースカジノ 出金できないのみから読み出す場合と、ラウンドロビンで呼び出す場合があります。RAID-1の場合には、同じデータが双方のユースカジノ 出金できないに書かれているため、どちらかのユースカジノ 出金できないが壊れた場合でも、アクセス可能なユースカジノ 出金できないだけでI/Oを継続することが可能です。RAID-1にした場合には耐障害性のメリットはありますが、性能はユースカジノ 出金できない単体の時の60%程度に落ち込みます。
4. ユースカジノ 出金できないID-10(ミラード・ストライプ)
RAID-1とRAID-0を合わせたものです。下の図の場合に、D1からD'4までの8台のユースカジノ 出金できないで1つの論理的なSCSIユースカジノ 出金できないを構成します。ミラーされたものをストライプするため、左の図では8台の物理ユースカジノ 出金できないを使用していますが、容量は物理ユースカジノ 出金できない4台分となります。書き込みと読み出しはRAID-1,RAID-0のそれに準じるため、RAID-1の耐障害性とRAID-0の性能を兼ね備えた論理ユースカジノ 出金できないを構成します。特に耐障害性については、互いにミラーの関係にある双方のユースカジノ 出金できないが同時に壊れない限りデータの消失もI/Oの停止も発生しないため、現状のRAIDレベルの中では最も高速で耐障害性の高いものです。
5. ユースカジノ 出金できないID-4
RAID-0にパリティ専用ユースカジノ 出金できないを追加することにより、耐障害性を持たせたものです。データはRAID-0と同様にブロック分割されてデータ用ユースカジノ 出金できないに並列に書き込まれますが、これに加えて書き込みデータに対応するパリティが計算されてパリティ専用ユースカジノ 出金できないに書き込まれます。このため、ユースカジノ 出金できない障害が発生してもパリティから障害ユースカジノ 出金できないのデータは再作成可能なため、データ消失もなくアクセスを継続することが可能です。ただし、最初の書き込みでパリティ演算とパリティの書き込みが発生するだけでなく、データの更新時には更新前のデータとパリティを読み出してから更新後のパリティを再作成して書き込む必要があります。この動作は「ライト・ペナルティ」と呼ばれており、パリティによる耐障害性を実装する場合には避けられない現象です。RAID-4ではパリティユースカジノ 出金できないが固定されているために、複数の書き込みを同時処理することが出来ないという欠点があります。読み込み時の動作はRAID-0と同様です。
8. ホット・スペア
RAIDで構成された仮想ユースカジノ 出金できないは、RAID-0を除けば耐障害性が考慮されていますが、一台(もしくは二台)のユースカジノ 出金できないが壊れたままの運用はパフォーマンスが悪いだけでなく、次のユースカジノ 出金できない障害でデータが消失する危険があります。このため、ほとんどのストレージは障害ユースカジノ 出金できないに替わってスペアのユースカジノ 出金できないがすぐに機能してRAIDを再構築する機能を持っています。この用途で使用されるユースカジノ 出金できないはホット・スペアと呼ばれ、ホット・スペアを組み込んで冗長性を持たせた仮想ユースカジノ 出金できないを再構築することをリビルドと呼びます。RAID-5の仮想ユースカジノ 出金できないに障害が発生して、リビルドが終了する前に他のユースカジノ 出金できないに障害が起きるとデータは消失してしまいますが、HDDの容量がどんどん増大するにつれてリビルドの時間も長くなるため、近年ではユースカジノ 出金できないの二重障害に対応できるRAID-6の必要性は高まっています。
9. ユースカジノ 出金できないIDのまとめ
RAIDレベルで一般的に使用されるのはRAID-10、RAID-5、RAID-6の三種類です。それぞれがメリットとデメリットがあるので、ユースカジノ 出金できないの種別と合わせて使い分けることでコストと性能のバランスを図ることができます。例えば、トランザクション系の重要なオンラインデータにはFC/SASユースカジノ 出金できないを使ったRAID-10を適用することで、最高度の性能と信頼性を確保できます(その分、費用はかかります)。バックアップ用途で使われるユースカジノ 出金できないであれば、SATAでRAID-5を適用すると、安価で大容量のバックアップ領域を持つことができます(この場合、性能は二の次となります)。左の表は、RAIDレベルに応じた特長を相対的に表したもので、実行容量はユースカジノ 出金できないN台を使用した場合に実際のデータ領域として使用できる本数を表します。
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