著:クロスファンクショングループ プロダクトマーケティング室
インフラソリューション推進部 菅 博
第8回では接続形式としてDASとFC-ユースカジノ 登録方法について説明しました。今回はIPベースで実装されているIP-ユースカジノ 登録方法とNASについて解説します。また、これらの接続形態をどのように使い分けていくべきかという指針についても言及します。
1. IP-ユースカジノ 登録方法 (IP – Storage Area Network)
IP-SANは名前の通りに、ユースカジノ 登録方法専用のネットワークをIPで実現したものです。TCP/IPのネットワーク上に接続されたユースカジノ 登録方法のデバイスが、サーバからはSCSIディスクとして認識されるために、IP-SANはiSCSIとも呼ばれます(iSCSIと呼ぶ人の方が多いかも知れません)。
SANを最初に実現したのはFibre ChannelによるFC-SANでしたが、サーバをFCに接続する場合には少なくとも専用のHBAが必要であり、多くの場合はFC-Switchも必要とします。HBAもFC-Switchも高価であり、サーバ本体が低価格であるWindows/Linuxの環境では、FC-SANを構築するときにコストバランスが良くないと感じることがあります。それに比べて、IP-SANはサーバが標準で持っているNICと通常のTCP/IPネットワークを使用するため、基本的にユースカジノ 登録方法以外の初期投資を必要としません。
IP-SANは2003年に標準規格として認定されましたが、当初は速度と信頼性の面で批判的な人が多かったのも事実です。Fibre Channelのように最初からユースカジノ 登録方法専用のネットワークとして設計されたものとは異なり、一般のTCP/IPネットワークをユースカジノ 登録方法のネットワークとして再利用するということから、プロトコルのオーバーヘッドが激しくてスピードが出ないのではないかという心配がありました。また、そもそもSCSIはエラーフリーの精緻なプロトコルなのに、TCP/IPのような再送や衝突を前提とした緩いプロトコルでラッピングすることに対して、信頼性を疑問視する見方もありました。
しかし、実際には通常のNICとOS上のiSCSIドライバでも十分の速度と安定性を発揮し、最近ではTOE(TCP Offload Engine)を搭載したNICも登場したことにより、サーバの負荷を軽減して一層の高速化を図ることも可能になっています。こうなると、本来iSCSIが目指していた「安価で管理が簡単」というメリットの方が注目され、DASからiSCSIに移行するシステムが今後は増えてくると思われます。
Unix(Solaris,HP-UX,AIX)、Linux、Windows(2000,2003,XP,Pro)、VMware ESXなどメジャーなOSは全て標準でiSCSIドライバのサポートを開始しているため、今後も少しずつFC-ユースカジノ 登録方法の市場を奪いながらシェアを拡大していくことが予想されます。
2. ユースカジノ 登録方法 (Network Attached Storage)
ユースカジノ 登録方法の用語が定着し始めた際にそれと区別するために、ファイルサーバ専用機をNASと呼ぶようになりました。NASはLAN上に接続され、各種クライアントはLAN(WAN)経由でNASにアクセスを行います。
ユースカジノ 登録方法がネットワーク上に共有させるドライブはWindowsからはCIFSを介してネットワークドライブとして認識され、UNIX/LinuxからはNFSを介してサブディレクトリとして認識されます。NFSもCIFSも仮想ファイルシステムのプロトコルなので、クライアントからのアクセスは全てファイル単位でのアクセスになるのが特徴です。
ユースカジノ 登録方法のようなファイルサーバ専用機が作られる前でも、ネットワーク上でのファイル共有は個別にファイルサーバを立てることで可能ではありました。しかし、UnixやWindowsのような汎用OSがファイルサーバとなっている場合に、クライアントの数が多くなると性能が著しく劣化し、ファイルの数と容量が増えた場合に適切なバックアップ方法が存在しないなどの問題点がありました。
NASはファイルの貯蔵庫として本来あるべき機能に特化した専用機のため、汎用OSを利用したファイルサーバの欠点を克服しています。NASは導入が容易で、クライアントもTCP/ユースカジノ 登録方法とNFSやCIFSのプロトコルは標準装備のため、手軽に大容量のファイルシステムが利用可能になります。
3. ユースカジノ 登録方法とNASの使い分け
ユースカジノ 登録方法がいいのかNASがいいのかという議論はすでにされ尽くした感がありますが、この章で説明してきた接続形式を見れば結論はおのずと見えてきます。前提条件無しでユースカジノ 登録方法とNASのどちらがいいかを議論するのは意味がなく、データ利用の方法やデータをアクセスするアプリケーションなどを考慮して、適材適所で使い分けるのが最善です。
H/Wの観点からはユースカジノ 登録方法もNASも大差がありません。プロセッサと専用OS、キャッシュメモリの他にデータ保護のためのRAID機能などを持っているのは共通です。
しかしながら、ユースカジノ 登録方法を利用するサーバやクライアントから見た場合には、大きな違いがあります。SANで提供されるボリュームはSCSIディスクとして認識され、NASが提供するボリュームはネットワークドライブとして認識されて、ファイルシステムの一部としてマッピングされます。このことから、SANは専有ディスクとしてブロックI/Oでアクセスすることになり、NASは他のマシンとの共有領域としてファイル単位でのI/Oが可能になります。
最後にアプリケーションの観点から見ると、Exchange やSQL Server のようにNASをサポートしていないアプリケーションもあるので、こうした場合には選択の自由度は残されていないため、ユースカジノ 登録方法かiSCSIのいずれかを選択せざるを得ません。
最近は、ある程度の規模のユースカジノ 登録方法であれば、全ての接続形式を同一筐体でサポートするようになっているので、データやアプリケーションによって自在に接続形式を選択することが可能になっています。
蛇足かもしれませんが、「NASは遅いのでユースカジノ 登録方法の方がいい」という考え方が今でも根強く残っていたりしますが決してそんなことはなく、絶対速度だけにこだわってNASのメリットを考慮しないなら、管理性に乏しい複雑なシステムになりかねません。しかも、ファイルサーバとして考えた場合、汎用OSで作ったファイルサーバよりもNASの方が圧倒的にパフォーマンスは優れています。
4. DASとFC-ユースカジノ 登録方法、およびIP-ユースカジノ 登録方法の使い分け
これらの三つの接続方式は、サーバから見た場合には全てSCSIディスクを提供するという点で共通しています。従ってユースカジノ 登録方法とNASで考えたものとは別の視点で棲み分けを行う必要があります。
まず金額(予算)の面で言えば、DASが最も安く次がIP-SAN、最も高くつくのがFC-SANという順番になります。DASのシステムも前提条件がクリアできるのであれば、安価に構築できるのでお奨めです。例えば、サーバの数が少なくてユースカジノ 登録方法の構成変更もほとんどないということであれば、むしろDASで組んでしまった方が安いし管理も簡素化されるというメリットがあります。
FC-SANとIP-SANはともにネットワーク接続になりますが、技術的な観点からは大きな差異があります。FC-SANはFibre Channelプロトコルというユースカジノ 登録方法専用のプロトコルであり、これをある程度理解していないと設計や構成変更を行うことができません。一方、IP-SANは慣れ親しんだTCP/IPだけで実装できることから、ユースカジノ 登録方法をネットワーク化するときに新たに修得する技術は最小限度で済むことになります。価格面でもIP-SANはFC-SANよりも安価に構築できるので今後はシェアを伸ばしていくと考えられます。
ただし、簡単で安いにも関わらずIP-ユースカジノ 登録方法の浸透は非常に緩やかであるのも事実です。これには主に二つの理由があると考えられますが、ひとつは前述したように「速さと信頼性」に対する懐疑的な見方です。もう一つは、サーバから見たときにIP-ユースカジノ 登録方法でなければ実現できない機能というのも存在しないため、取りあえずは枯れた技術であるFC-ユースカジノ 登録方法で安全に構築したいという担当者が多いのではないかと考えられます。皆がやり始めたら自分もという考え方はITでも例外ではなく、NASでさえも一般的な認知を受けるには数年かかったことを考えれば、IP-ユースカジノ 登録方法も同じ道を辿りそうな気がします。
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